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1999.09.28活動報告

「THE JAPAN TIMES」で活動が紹介されました(9月28日)

「THE JAPAN TIMES」 平成11年9月28日掲載

Plan a foot to turn reefs into ‘museum’

KOCHI{Kyodo}A group of local citizens here is mapping out a project to turn an island off western Kochi Prefecture known for its coral reefs into a “natu-re museum”
The plan is being pushed by the Preparation Committee for Creating a Center to Experience the Japan Current, led by a lecturer at Kochi University,and local go-vernments have been supportive of the idea,group members said. Kashiwa Island, with a circumference of about 4km, is home to about 1,000 sp-cies of fish in addition to coral reefs.
The island is popular with divers,attr-acting more than 10,000 a year, according to the prefecture. The plan is to convert the whole island into a museum that will serve as a base for marine research and field work, according to the comittee. The comittee’s representative, Masaru Kanda,32, a lecturer of fish ecology at the university, has led field studies for elementary and junior high school students since last November. Because the classes have proved popular with youths, the prefecture asked Kanda’s group to join a network of museums in the prefecture.
“The Otsuki Municipal Goverment,which oversees the island,is also enthusiasticabout the project The coexistence of man and nature is an important issue for our town ,” a local official said. “We’d like to make the best of our rich nature to revitalize the local economy.”
Nothing his group hopes to start the project by the end of the year, Kanda said ,“ We want to do it together with reseachers, local residents and local governments.”
The committee is currently seeking new members, who must pay a \1,000 fee. They will receive the lastest information about the island’s nature and newly discovered species of fish via e-mail.

1999.09.25活動報告

共同通信社より全国の地方紙に活動が紹介されました

「高知県・柏島 島ごと自然博物館に」
 愛媛新聞 平成11年9月25日 (共同通信発 全国版掲載)

研究者ら提案 サンゴ・魚豊富に生息

 日本有数のイシサンゴ類の群生に囲まれた高知県西部の大月町柏島を島ごと自然博物館(フィールドミュージアム)にしようという構想が持ち上がっている。
 高知大講師らでつくる「黒潮実感センター設立準備委員会」が提案。高知県や同町も好意的で、実現に向け機運が高まっている。
 柏島は周囲約4km、四国西南端の小さな島。サンゴに加えて、約千種の豊富な魚類が生息し、推計で年間1万人以上のダイバーが訪れる人気ポイントだ。
 構想は、島全体を博物館に見立て、研究、体験の拠点基地「黒潮実感センター」をつくり、自然保護と環境教育の両立を目指す。
 昨年11月以降、同委員会事務局長で高知大非常勤講師(魚類生態学)神田優さん(32)が、小中学生らを対象に始めた環境学習会が好評。高知県が、情報や人材交流で県内各博物館を結ぶネットワークへの同センターの参加を決め、大月町も「人と自然の共生は町の大きなテーマ。今ある自然を地域振興にも結びつけたい」と乗り気だ。
 神田さんは「研究者と地域住民、行政が一体となってやりたい。来年度いっぱいでなんとかめどをつけたい」と張り切っている。
 同委員会は「友の会」会員を募集中。一口千円で会員になれば、柏島の海の様子や新発見の魚介類の紹介等が電子メールで送られる。
 問い合わせは事務局=電話0880(76)0026

1999.09.12活動報告

9/11-12  山と海の子供体験学習交流会開催

9/11-12  山と海の子供体験学習交流会開催

9月11.12日に黒潮実感センター設立準備委員会と四万十楽舎、大月町・西土佐村 教育委員会が合同で、「山と海の子供達の体験学習交流会」を開催しました。 この会には西土佐村の児童26名と、柏島中学校の生徒11名が参加しました。
 11日は生憎のお天気でしたが、良栄丸(船長:黒田良一さん)に乗り込み、 柏島~大堂海岸~幸島~ビロウ島をまわりました。柏島の生徒も西土佐の児童も、 うねりの中波しぶきをかぶりながら、ダイナミックな景観に大はしゃぎでした。 その他、浮桟橋で全員で釣りをして「生きた教材」を調達し、魚の観察と写生を 行ったり、柏島の海のビデオをもとにした環境学習、夜の海の生き物の観察会など をしてその日の日程を終了しました。翌12日には竜が浜でシュノーケリングと 磯採集を行い、また浜に打ち上がっているゴミを拾ったりといった清掃活動も 行いました。山の子供にとっては大月のすばらしい海の世界を満喫したよう ですし、柏島中学校の生徒は年下の小学生の世話をする事で、リーダーシップを 発揮したりと、実りある体験学習交流会となったようです。
 この体験学習会の模様は、9/12の毎日新聞・9/13 の高知新聞に掲載され、 9/13 にはRKC高知放送の6:30PMからのニュースで紹介されました。

1999.09.09活動報告

9/9 高知大学との共同研究 柏島プロジェクト(仮称)

9/9 高知大学との共同研究 柏島プロジェクト(仮称)

 高知大学の教官5名と黒潮実感センター設立準備委員(神田)との共同研究で 柏島プロジェクト(仮称)を企画するための第一回会合が開かれました。
 この計画は高知大学人文学部助教授の新保輝幸氏の提案で、柏島をケーススタディに 柏島水域における海洋生物の生物多様性の保全と活用および、地域振興の視点から自然科学系の研究者と社会科学系の研究者とが初めて合同研究するというもので、 その研究成果を大学での講義へ適用し、教科書化する案も検討されています。

1999.09.02活動報告

9/2 高知県窪川町教育委員会社会教育課主催の朝霧婦人学級にて講演

9/2 高知県窪川町教育委員会社会教育課主催の朝霧婦人学級にて講演

 窪川町農村環境改善センターにて、 環境学習会「海の環境保全とその利用」と題した講演を行いました。高知県に残されたすばらしい海の環境を、食い物にするのではなく 環境を保全しながら活用するために、今私たちが作ろうとしている黒潮実感センターの 紹介を混ぜながら、講演をしてきました。この会に出席されていた窪川町立影野小学校の校長先生から、11/19に小学校においての父兄参観日に環境学習会の開催を依頼されました。

1999.09.01活動報告

9/1 第1回 高知県フィールドミュージアム計画策定検討委員会に出席

9/1 第1回 高知県フィールドミュージアム計画策定検討委員会に出席

 昨年度、高知県の県民からのアイデア募集事業に提案していた 「黒潮実感センター」構想と、高知県全体をフィールドミュージアムにする構想、 足摺宇和海国立公園大月地区の自然保護に関する意見を会わせた提案が こうちフィールドミュージアム計画として採択され、高知県文化環境部環境保全課 において、第一回目の検討委員会が開かれました。
 この検討委員会は学識経験者・高知県内各博物館学芸員・観光協会役員ら15名で 発足しました。会では高知県全体を一つの博物館として捉え、現存する自然や文化 を活用しながら保全していき、既存の施設をネットワーク化し、相互間で人と 情報の交流を図ろうというのが基本的な考え。
 その他「フィールドミュージアム構想」策定の検討と並行して、そのモデル事業として 県内各学習施設におけるインタープリターの養成と、自然観察プログラムを作成する 「こうちフィールドミュージアム・モデル活動支援事業」の検討委員会も同時に開かれ、 県内学習施設6施設の一つとして選ばれました。 黒潮実感センター以外の5施設は、現在すでに施設が存在し運用されていますが、 実感センターも一日も早く、高知県初の海のフィールドミュージアムとして 立ち上げたいと思います。皆さんのご協力をお願いします。

インタープリター養成講座開講!

実感センターのお手伝いをしてくれるボランティアスタッフ募集!

 この講座は、先の「こうちフィールドミュージアム・モデル活動支援事業」 の一環で高知県環境保全課が自然解説員を養成する取り組みとして開設するもので、 高知県下の各自然学習施設の活動に協力していただける方に参加して貰うものです。 黒潮実感センターが体験学習等を行うにあたって協力していただけるかたの この講座へのご参加をお待ちしております。

期日 平成11年11月6日(土)10:00- 平成11年11月7日(日)16:00  1泊2日 雨天決行

場所 国立室戸少年の家 (室戸市元)     0887-23-2314

定員 50名

費用 3000円

参加資格、受講者の準備するもの、講師、内容、スケジュール等については 黒潮実感センター設立準備員会 事務局 神田 優 TEL:0880-62-8022・0880-76-0026 FAX:08880-62-8022までご連絡下さい。 詳しい資料をお送りします。

1999.09.01活動報告

友の会が発足しました

友の会が発足しました

黒潮実感センターの活動支援をお願いします!!

支援会員にはメールでセミナーやイベントの案内・柏島周辺の海の状況案内などをお知らせします。

頂きました会費は「里海」(柏島周辺の海)の環境保全活動に使わせていただきます。

皆様方のご支援よろしくお願いいたします。

NPO法人黒潮実感センター理事長 立川 涼(元高知大学長)
事務局(旧柏島中学校内)センター長 神田優
TEL&FAX: 0880-62-8022

1999.08.31活動報告

活動報告(5月~8月):高知新聞掲載

豊かな海 壁紙に ~大月町柏島中~  (5月12日)

 幡多郡大月町の柏島中学校(田中農三校長)が、今春から柏島の豊かな海をアピールする壁絵の製作を始め、このほど学校のへいに飾った。
 同校には、宿毛湾の豊富な海洋資源を地域振興に生かす拠点施設「黒潮実感センター」(仮称)設立準備委員会事務局が置かれている。映画上映や公園など積極的な環境学習に取り組んでいる。スキューバダイビングなどで島を訪れる人たちにアピールしようと、斜面に面したへいに絵を飾ることにした。
 絵は縦90センチ、横1.8メートルのアクリル板に三枚製作。ブルーをバックにハタタテハゼやネジリンボウ、キンギョハナダイなど柏島ならではのカラフルな魚の絵を描き、「みんなの宝物 柏島の碧い海」とメッセージを添えた。
 絵は今後、約50メートルある壁いっぱいに飾る計画。生徒数が少なく、中学校統合も2年後に迫っているが、田中校長は「地区の小学生やお年寄りの協力や、町外の学校との交流を通じて完成させたい」と語っている。

あす大月町で海洋セミナー (7月16日)

 幡多郡大月町の豊かな海洋環境について学ぶ「第五回海洋セミナー大月」が17日夜、同町柏島の柏島公民館で開かれる。大学研究者や町で作る黒潮実感センター設立準備委員会の主催。
 当日は午後7時から9時まで。日本学術振興会の奥田昇・特別研究員が「海の中の懲りない面々」と題して講演する。ハリメやゲンナイ、イシモチなど幡多でなじみ深いテンジクダイ類が、口の中で卵を守る習性を持っている話などユニークな生態を紹介する。

山の子が海の自然学ぶ~土佐山小で「環境学習会」 (7月17日)

 海洋生物の宝庫として知られる幡多郡大月町柏島周辺を題材にした「海の環境学習会」が16日、土佐郡土佐山村の土佐山小学校で開かれ、”山の子供”たちは珍しい魚の写真などに目を輝かせていた。
 同小は地域の歴史や自然を学ぶ「こども山嶽社塾」を5年前に開講し、さまざまな校外活動を行っている。今年は「山と海の子ども体験学習交流会」として7月末、1泊2日で柏島訪問を計画。事前学習のため高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(32)を招いた。
 神田さんは柏島の海洋資源を地域振興などに生かす拠点施設建設に取り組んでおり、同小の視聴覚室に集まった5,6年生を前に、パネル写真や自らが撮影した柏島周辺の海中ビデオを使って、さまざまな魚類やサンゴなどの生態を紹介した。
 体の皮がぼろぼろはげ落ちるボロカサゴや、数年前に柏島で発見されたキツネメネジリンボウなど珍しい生き物と、ユーモアを交えた神田さんの説明に、子供たちも「すごい!それ食べられる?」などと目を丸くしていた。
 柏島ではグラスボートでの生物観察などのほか、柏島中生との交流会や橋本大二郎知事との意見交換会なども予定。子供たちは「早く行ってみたいね」と顔を輝かせていた。

JCのTYOP大賞 神田さん(高知大・高知医大非常勤講師)受賞 (8月6日)

 地域活動などさまざまな分野で功績のあった若者に贈られる日本青年会議所「第十三回TYOP(トイップ)大賞’99」の環境庁長官奨励賞に、高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(32)が選ばれ、このほど横浜市で授賞式が行われた。
 同賞は理想や夢を持ち、実践している若者を応援する精度。全国各地のJCの推薦によって医療、福祉、国際協力、文化・芸術などの分野で毎年計十人を表彰している。
 神田さんは、幡多郡大月町柏島に地域の豊かな海洋資源を守り育てる拠点施設「黒潮実感センター」(仮称)の設立を提案。実現に向け、昨年から県内で環境学習会などを開いており、宿毛青年会議所が推薦していた。受賞者には、スキー複合選手の荻原健司さんらも著名人も多いとあって、神田さんは「環境教育と地域保全に向けた取り組みが全国的に評価されてうれしい。構想が実現できるよう、活動を県内外に広げていきたい」と受賞を喜んでいる。

大月町柏島 黒潮実感センター設立へ支援を「友の会」会員募集 (8月17日)

 幡多郡大月町柏島の豊かな海洋環境を生かした拠点施設設立を目指す黒潮実感センター設立準備委員会(会長=柴岡邦男町長)はこのほど、「センター設立友の会」を開設し、会員募集を始めた。構想実現に向けた各種活動を支援してもらうのが目的で、会員にはダイビングスポットなどの情報を提供する。
 同委員会は、高知大研究者や地元住民代表らで昨年七月に発足。柏島は、周囲約四キロの範囲に約一千種に上る魚類が生息する全国有数の海洋生物の宝庫であることから、こうした自然環境を含めた体験型博物館の設立を目指す一方、高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(32)を中心に町内外で海洋セミナーや環境学習会などを開いている。
 友の会は、海中ビデオライブラリー製作や環境教育の教材づくりなど、構想実現に向けた各種活動などを支援してもらうことが狙い。個人や企業に年回費を払ってもらい、会員には会報や電子メールで、周辺のダイビングスポットや新しく確認された魚介類の紹介、同委員会主催のイベントなどを案内する。
 年会費は一人一口1000円(企業など団体賛助会費は一口二万円)。振り込み口座などの問い合わせは柏島中学校内「黒潮実感センター設立準備委員会事務局」(0880・76・0026)。

四国地区TOYP賞 神田さん(大月町)グランプリ 海洋資源保護運動を評価 (8月31日)

 日本青年会議所四国地区協議会が主催する「四国地区TOYP賞」のグランプリに高知大・高知医大非常勤講師、神田優さん(32)=幡多郡大月町柏島=が、準グランプリに車いすマラソン選手の山崎正一さん(40)=高知市東久万=がそれぞれ選ばれた。
「TOYP」は「The Outstanding Young Persons 」の頭文字をとったもので目立った若者という意味。四国地区TOYP大賞は四国内に住み地域活動などさまざまな分野で活躍した若者に贈られる。ことしはそれぞれの地域の青年会議所から推薦を受けた四人がエントリー。このほど公開審査が行われグランプリ一人、準グランプリ二人を選考した。
 神田さんは豊かな海洋資源を守り育てる「黒潮実感センター」(仮称)を柏島に建設することを提案。実現に向け県内の小、中、高校で環境学習講演会を開くなど海洋資源保護運動が評価された。神田さんは日本青年会議所が主催する日本TOYP大賞環境庁長官奨励賞も受賞している。
 準グランプリの山崎さんは昨年、大分国際車いすマラソン大会で国内選手五位に入賞したほか太平洋スーパーチャレンジカップの車いす部門で優勝。シドニーパラリンピックの強化候補選手にも選ばれ、今後の活躍が期待されている。
 授賞式は28日に今治市で行われた。

1999.07.17活動報告

第5回 海洋セミナー大月の報告

第5回 海洋セミナー大月の報告

 7月17日、柏島公民館で「第5回海洋セミナー大月」を開催しました。
 日本学術振興会特別研究員の奥田氏を講師に招き、「海の中の懲りない面々ー口の中で卵を守るテンジクダイ類(ハリメ・ゲンナイ)の社会ー」と題し、大月町の海岸のどこにでもいる「ハリメ」の、興味深い生態に関する講演を行っていただきました。
 この講演には地元の方だけでなく、町外のダイバーも多数参加してくださいました。

 講演終了後、地元で漁業を営むおばあさんから意見が出ました。
「ダイバーというのは柏島にとっては利益にならない、却って迷惑な存在です。実際にアオリイカやその他の魚の漁獲量が減ったのは、ダイバーが海を荒らすからです。陸上においてもゴミを捨てたり、駐車ルールが守られなかったりで、地元の住民が大変迷惑しています」との意見でした。そして私(神田)に向かって「これ以上柏島を有名にしないでほしい。これ以上ダイバーに柏島に来てもらいたくない」とおっしゃいました。
 ごく普通に漁業を営んでおられる方が、ここまで発言せざるをえない、ということで、 私は柏島における漁業者とダイバーの間の溝を感じずにはおれませんでした。

 私の返答は以下の通りです。
「漁獲量が減ったこととダイバーの存在の間に相関関係があるかどうかはわからないけれども、釣りをしている人の下で潜ったりして、漁業行為を妨害するダイバーが少なからずいることもわかりました。
 しかし今後、平成14年には柏島にトンネルが開通して、大型観光バスが乗り入れ、ダイバーを含む多くの観光客が柏島に押し寄せることは目に見えています。
 ですから早急に漁業者とダイビングを中心としたレジャーとの、競合を避ける意味でのルール作りを行わなければならないと私は考えています。現在私は『柏島島おこしの会』を通じて、漁業者・ダイビングサービスの双方に話し合いのテーブルについてもらうべく、努力しているところです。
 個人的には、元来柏島は漁業の島であると考えています。そこにダイビングサービスが進出してきて一大産業になりつつあるのが現状です。ダイビングサービスと漁業者が対等な立場での意見の交換が行えるのが理想ですが、まず後進であるダイビングの側が一歩譲った形での、海でのルール作りを行う必要があると思います。そしてよりよい関係を築いていく中で、ダイバーにとってのルール緩和(ポイントの開放など)を願っていくのが順当だろうと思います。
 昨今のダイバーは潜って魚介類を取るようなことはしません。ゴミも捨てたりせず、むしろ海底に捨てられたゴミを拾って帰ります。実際にダイビングが主要産業である沖縄県の座間味島などは、ビーチや村の中にゴミもなく、美しい環境が保たれています。ほとんどのダイバーは海に潜ることで海の美しさを認識し、海を保全しようと考え行動しています。このあたりはご理解いただければと思います」

 私がこのように述べたことで完全に納得していただけたかどうかはわかりませんが、おばあさんからは更なる意見はありませんでした。
 しかしセミナーの5回目にして、ようやく地元の方の本音の意見を聞くことができたこと、ようやくそこまでこぎつけられたことを大変うれしく思います。
 またセミナーの内容について「海の生きものの話もいいけれど、『漁業とダイビングの共存のありかた』についてのセミナーも開催してほしい」との意見もいただきました。

1999.07.17活動報告

第5回 海洋セミナー大月開催のお知らせ

第5回 海洋セミナー大月開催のお知らせ

*テーマ:海の中の懲りない面々
  ~口の中で卵を守るテンジクダイ類(ハリメ・ゲンナイ)の社会~
*日 時:7月17日(土)午後7:00~9:00
*場 所:柏島公民館
*講 師:日本学術振興会特別研究員 奥田 昇 氏
*主 催:黒潮実感センター設立準備委員会
*協 賛:大月町・富士ゼロックス
*参加費:無 料
*問い合わせ:黒潮実感センター設立準備委員会 事務局
 電話(0880)76-0026/62-8022 神田(カンダ)まで

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「海の中の懲りない面々  ~口の中で卵を守るテンジクダイ類の社会~」
  日本学術振興会特別研究員   奥田 昇 氏 

-講演要旨- 
 人間が様々な社会を形成するのと同様に、すべての生き物には 固有の社会が存在する。人間の社会が法律やしきたりといった ルールによって統制されているのに対して、野生生物の社会に そのようなルールはない。かれらは「他個体よりも多くの子孫を残す」 という基本原則に従って、行動しているのである。
 今回、紹介するテンジクダイ類は大月町の周辺にも数多く生息し、「ハリメ」「イシモチ」などの俗称で釣り人にもなじみ深く、 南予地方では郷土料理「じゃこ天」の主原料として知られている。 この魚の興味深い特徴は親が口内で卵を保護するという習性を 持っていることだ。しかも、育児を担当するのは雌ではなくて 雄なのである。このような繁殖習性を持つが故に、かれらの社会は 他の生物とは一風変わっている。
 多くの動物では、雄同士が雌の獲得をめぐって激しく争うのに対し、この魚では雌の方が雄に対して積極的にアプローチを試みる。 雌にとってみれば、雄は育児の大部分を請け負ってくれる貴重な繁殖資源 なのかもしれない。実際に、雄は雌から受け取った卵塊を飲まず食わずで 口内保育し続ける。繁殖シーズンの終わりともなると、雄はすかっり 痩せこけてしまい見るも哀れな姿になる。私たちから見ると、雄は なんとも甲斐甲斐しく映る。ところがどっこい、雄は雄で雌の目を 盗んでちゃっかりこの卵塊を食べているのである。
 さて、いったい彼らは、何故このような行動をとるのだろう? 
私たちには想像もつかない彼らの奇妙なふるまい、そして彼らの社会を 科学の目を通して探りたい。

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釣り人、ダイバー、関心のある多数の方のご来場をお待ちしています。

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