トゲチョウチョウウオ
- サイズ
- 全長 23cm
- 説明
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成魚では背鰭の第5、6軟条が糸状にのびることが特徴。同様な背鰭をもつのにセグロチョウチョウウオ、レモンチョウチョウウオがある。
- 分布
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岩礁・サンゴ礁域。八丈島、小笠原諸島、千葉県実入(幼魚)、和歌山県串本、高知県柏島、屋久島、琉球列島、南大東島、尖閣諸島;台湾、東沙群島、西沙群島、南沙群島、東インドー太平洋(イースター島を除く)。
- 生活史
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幼魚は夏から秋に中部日本、ときには東北沿岸にも出現するが、死滅型の分布(冬を越せずに死滅、無効分布ともいう)で、成魚が観察されるのは南西諸島以南。ポリプ、小型のイソギンチャクを主に、ゴカイなどの小動物も食べる。サンゴ礁域では、成魚はペアで行動している場合が多い。本属の魚類の生活史や成長についてはよく知られていない。頭部の各種の骨が肥大・伸長したトリクティス幼生の期間は比較的長く、このことから海流による幼生の分布を広域におよぼす原因となっている。長期的には大陸島である沖縄から海洋島である小笠原などへの分布範囲の拡大が期待できるが、短期的には本州への幼生の運搬は種の定着には結びつかず(無効分布)、多量の幼生の犠牲が毎年繰り返されている。